夢について
夢とは何か?
夢は鮮明な映像体験を伴うことから、特別な意味を持つのではないかと、古代から人々の関心を集めてきました。
それでは「何故」人は夢を見るのでしょうか。残念ながら睡眠研究が進んだ現在でもその答えは明らかになっていません。
しかし「どのように」夢を見るのか、そのメカニズムは解明されつつあります。
ヒトの睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠という質的に異なる二つの睡眠段階に分類されます。ノンレム睡眠(脳の眠り)は大脳の活動が減少し深睡眠へ移行し、深度によってステージ1〜3(または4)に分類されます。レム睡眠(身体の眠り)は筋肉の脱力が起こり、目がキョロキョロと素早く動く状態です。この睡眠段階で覚醒された被検者から高い確率で夢の報告がされた事で、夢との対応関係が提起され、レム睡眠が夢を見ている睡眠であり、それ以外の睡眠状態では夢を見ていないという考えが広まりました。しかし後の研究でノンレム睡眠でも夢の存在が確認されたのです。そしてそれはレム睡眠時の夢とは内容が異なる事も分かってきました。
レム睡眠の夢
・鮮明な映像体験である(はっきり覚えている)
・夢の長さや内容が多い
・突拍子のない、荒唐無稽、意外性のあるストーリー(意味記憶)が形成される
・時刻による夢の量の変動が少ない
・感情の制御を行う大脳辺縁系の活動が増加する
ノンレム睡眠の夢
・レム睡眠よりも夢見報告率が低い
・鮮明度や内容が乏しい
・ステージ2以上の睡眠段階で出現しやすい
・実際の出来事(エピソード記憶)がそのまま現れる事が多い
・時間帯で夢内容が変動しやすい(朝方に奇妙な内容が増える)
また、睡眠中は必要な情報と記憶の整理をするために、脳神経細胞などの変化が起こることが分かっています。ただし脳が情報処理できる容量は無限ではなく、この処理に伴ったノイズが夢と関係しているのではないかと考えられています。しかし予知夢や正夢といった不思議な現象もあり、まだまだ未知の領域であります。初夢で新年の運勢を占ってみてはいかがでしょうか。
*睡眠医療 2015(No4 vol.9)参照
*サイエンスパーク フロントランナーvol.9 参照
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