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舌下免疫療法・抗IgE抗体療法・レーザー治療

THERAPY

舌下免疫療法

スギ花粉やダニを原料とするエキスから作られたお薬を、少量から服用することによって体を慣らし、アレルギー性鼻炎の症状を和らげます。従来の内服などによる治療はあくまで症状を抑える治療ですが、この舌下免疫療法はアレルゲンに身体が慣れていき、アレルギー症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療法です。
現在、スギ花粉舌下錠(シダキュア)とダニ舌下錠(ミティキュア)よるアレルゲン免疫療法(減感作療法)が保険適応となっております。

治療効果

続けて治療することで80%以上の人が症状改善します。約20%の人は完治するといわれています。

舌下免疫療法の適応外

  • 4歳以下の小児(5歳以上適応)
  • 妊娠されている方、および、近いうちに妊娠希望の方
  • 重症の喘息を合併している方
  • 重い心臓の病気を合併している方
  • 癌治療中、免疫不全などの病気の方、治療で免疫抑制剤を使用している方
  • 高血圧でベータブロッカーという薬を服用している方(他の薬に変更する必要があります)
  • 急性感染症に罹患している方
  • 重度口腔アレルギーの方

治療の手順

服用開始前に、スギ花粉やダニによるアレルギー性鼻炎の確定診断が必要です。また、アレルギー症状の有無にかかわらず、毎日、長期間にわたり継続して服用する必要があります。(推奨3年~5年間)
スギ花粉舌下錠は最初の1週間は2,000JAU錠を、2週目以降は5,000JAU錠を1日1回1錠、ダニ舌下錠は最初の1週間は3,300JAU錠を、2週目以降は10,000JAU錠を1日1回1錠、長期間にわたり継続して服用します。初回の服用は、医師の監督のもと行う必要があります。(院内に30分待機していただきます)

治療開始時期について

スギ花粉舌下錠は6月~11月に開始することがすすめられています。花粉飛散が始まる直前に治療を開始すると効果がでないだけでなく、安全性にも問題があります。ダニ舌下錠は1年中いつでも開始できます。

服用手順

舌の下にお薬を置き、1分間保持した後、飲み込みます。舌の下に置くとすぐ唾液で溶けてなくなりますが、唾液はすぐに飲み込まず、1分間舌下に保持してください。
その後5分間は、うがいや飲食をしないでください。

注意事項

家族の居る場所や日中の服用が推奨されます。
小さなお子さん等は、保護者等の管理下で服用することが推奨されます。
お薬がやわらかく、割れることがあるため、シートをはがさずに押し出さないでください。欠けたり割れたりした場合、それらも一緒に服用してください。

服用前、及び服用後2時間

  • 激しい運動・アルコール摂取・入浴などは避けるようにしてください。服用後2時間以降にこれらを行う場合にもアナフィラキシー等の副作用の発現に注意してください。

服用を中止・再開するとき

  • 服用を中止する場合、自己判断で中止せず、必ず医師に相談してください。
  • 服用を長期に中断した後再開する場合、必ず医師に相談してください。

服用を正しくできなかったとき

誤って多く服用してしまったとき
  • 直ちに吐き出し、うがいをしてください。
  • 翌日、改めて前日の用量を服用してください。
1分間保持せず、飲み込んでしまったとき
  • その日は再度服用しないでください。
  • 翌日、改めて前日の用量を服用してください。
服用し忘れたとき
  • その日のうちに気がついた場合、その日の用量を服用してください。
  • 翌日に気がついた場合、前日の用量を服用してください。
  • 服用したか不確かな場合、その日は服用しないでください。

いずれの場合も、決してその日の分より多くを服用しないでください。
異常が認められた場合、直ちに医療機関を受診してください。

その他

①他の人に使用させないでください。
②次のような症状があるときは、シダキュアを服用する前に医師に相談してください。

  • 喘息発作や症状が激しい時
  • 口の中に傷や炎症があるとき
  • 風邪をひいているときや体調がわるいとき
  • 抜歯などの口の中の手術や治療を行ったとき

よくある質問

Q

舌下免疫療法とは、どんな方法なの?

A

舌下免疫療法は、舌の下にダニやスギ花粉抽出物の錠剤を入れ、免疫をつける治療法です。少しずつ免疫をつけていき、アレルギー反応に悩まされにくい状態への体質改善をめざします。

Q

治療は、いつから始めればいいの?

A

治療を始めるのは、スギ花粉が飛びにくい6月~11月頃の時期です。飛散がピークとなる時期の前後(12月から5月)は、アレルゲンとなるスギ花粉の影響で身体が過敏な状態になりやすく、治療には適しておりません。
ダニは1年中治療を開始できます。

Q

子どもや、お年寄りも治療できるの?

A

スギ花粉、ダニ舌下錠では5歳以上のお子さまでしたら、治療可能です。高齢(65歳以上)の患者さまの場合、免疫療法の有効性が低いというデータもございますので、医師に相談のうえで治療の可否を判断しております。

料金

シダキュア(5000)1錠 144.10円(1ヵ月分 144.1×30=4,323円(10割)3割負担で約1,300円程度)
ミティキュア(10000)1錠 205.9円(1ヵ月分 205.9×30=6,177円(10割)3割負担で約1,860円程度
  • ※薬品代のみの目安料金になります。
    ※別途 再診料・処方料などがかかります。

主な副作用

  • 口の中の浮腫、かゆみ、不快感
  • のどの刺激感、不快感
  • 耳のかゆみ など

重大な副作用

  • ショック
  • アナフィラキシー※1

※1 医薬品などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられる

重症のスギ花粉症に対する抗IgE抗体療法

重症・最重症のスギ花粉症に対して、抗IgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)を皮下注射する治療を行うことができます。

重症のスギ花粉症によるくしゃみ・鼻みずがとまらない・鼻がつまるといった鼻炎症状が内服薬でもおさまらず、1日中鼻をかんでい るといった方、また、抗ヒスタミン薬の眠気が強く、より強力な効果が期待できる薬剤に変更・増量できないために鼻炎症状がおさま らない方にとっては検討する価値の高い治療です。

ゾレアは花粉によって産生されたIgEと結合し、IgEがマスト細胞と結合できなくすることで、アレルギー反応=炎症をその元から抑えます。

期待できる効果

  • くしゃみ、鼻汁、鼻づまりの改善
  • 目のかゆみの改善
  • QOL(生活の質)の改善

このような方が対象

  • 鼻アレルギー診療ガイドラインにてスギ花粉症の重症または最重症
  • 過去に医療機関で鼻噴霧用ステロイド薬及び内服薬による治療を受けたが、効果が乏しい
  • スギ花粉抗原に対する特異的IgE抗体がクラス3以上
  • 血液中の総IgE値が30~1,500 IU/mlの範囲
  • 12歳以上で、体重が20~150kgの範囲

治療の手順

当院では、重症・最重症のスギ花粉症であることをまず診察で確認いたします。確認の上で1週間、従来の抗ヒスタミン薬及び鼻噴霧用ステロイド薬で治療が行われます。一緒にスギIgE値もチェックします。

よくある質問

Q

どのような検査を行いますか?

A

スギ花粉抗原に対する特異的IgE抗体、血清中総IgE濃度を測定するために血液検査を実施します。結果に関しては約1週間程度で判明します。

Q

どれくらいで効果が出てきますか?

A

初回投与後数日~2週間で効果が発現します。

Q

どんな効果がありますか?

A

労働能率低下率の改善・勉学能率低下率の改善が期待できます。

料金

費用は薬剤費のみで1ヵ月あたり、3割負担で約4,500円から70,000円の間です。投与量によって金額が変わります。その他、受診・検査にかかる費用、同時に服用し続ける必要のある抗ヒスタミン薬の処方費がかかります。

主な副作用

個人差はありますが、注射部位の赤み・かゆみ・腫れが起こる可能性があります。

レーザー治療

鼻のレーザー治療について

「鼻づまりなどのために長期間、薬を飲んだり点鼻薬を使用したりしているが、なかなか治らない」「鼻づまりのために、耳鼻科に通っているが、すぐに再発してしまう」「症状はあるけれど、忙しいのでなかなか耳鼻科に通えない」という方に、おすすめの治療法です。

鼻粘膜の表面をレーザーで薄く焼くことで、花粉やホコリ・ペットの毛などが粘膜についても、アレルギー症状を起きにくくします。温度や湿度の違いで反応する血管運動性鼻炎にも有効です。

副作用はほとんどなく、比較的簡単に受けられる治療なので、鼻づまりがお悩みの方は遠慮なくご相談ください。

レーザー治療の原理

正式には「下甲介粘膜レーザー焼灼術」という手術です。保険適用の治療になります。

鼻腔内の下甲介という構造物のアレルギー変化が起こった粘膜をCO2レーザーで焼きます。病的な粘膜が焼かれたことにより火傷をおったような状態になります。その粘膜が再生したとき瘢痕化しアレルギー反応を起こしにくい状態に変化します。

治療効果

効果には個人差があります。90%くらいの方に鼻症状の改善が期待できます。特に内服では改善しにくい鼻閉によく効く治療といわれます。花粉症に対しては年によって花粉の飛散量も異なりますので、飛散量が多い場合には実感しにくいこともあります。
効果の持続は数ヶ月~数年です。もともとのアレルギーの強さにも影響を受けます。効果が落ちた時は繰り返し行うこともできます。

レーザー治療の
対象年齢・適応者

対象年齢

※持病があり治療中の方は場合によりできないこともあります。医師に相談してください。

適応者

※肥厚性鼻炎や薬剤性鼻炎なども効果が期待できる治療です。

治療の手順

事前診察

レーザー当日

1.麻酔

まずスプレーにて鼻腔内を表面麻酔します。その後麻酔液の綿花を数枚鼻腔内に挿入し、そのまま約20分程度待合室でお待ちいただきます。

2.レーザー

診察室で行います。診察用の椅子をリクライニングした状態で、CO2レーザーにて下甲介粘膜を焼灼します。約10分程度焼灼します。

よくある質問

Q

治療はいつでも受けられますか?

A

レーザー治療の経過が安定すれば、術後約1~2か月後に効果が見られ始めます。スギ花粉のピークは例年2月下旬から3月ですので、1月下旬までの治療がおすすめです。

Q

治療後にアレルギーの薬はのみますか?

A

レーザーの刺激により、鼻水や鼻づまりなど、鼻炎の症状が一時的に現れます。ご希望に応じて、内服薬や点鼻薬の処方も可能です。

Q

痛みはありますか?

A

事前に麻酔を十分に効かせておりますので、術中の痛みはほとんどありません。術後は鼻内のピリピリとした刺激感がありますが、副作用はすぐに治まる方がほとんどですので、ご安心ください。
※痛み・症状には個人差があります。

料金

レーザー当日の費用 3割負担の方で約10,000円程度(再診料なども含めての受付請求分)

副作用・リスク

疼痛・・手術当日はしみるような軽い痛みがでることがあります。
出血・・鼻をかむと少量ですが出血がみられることがあります。
鼻症状の悪化・・手術翌日くらいより鼻閉や鼻汁などの症状は出現することがあります。レーザーによる副反応です。約1週間~2週間程度継続することがあります。

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