快適な睡眠環境づくり
快適な睡眠環境づくり
CPAP治療では評価期間のうち、4時間以上の使用日数70%以上が使用の目安です。
きちんと使用していただくことで睡眠の質は向上しますが、睡眠を取る際の環境を改善することで更なる向上が期待できます。自分に当てはまる悪習慣や環境がないか確認してみましょう。
温度
寝室・寝床内では、静かで暗く、温度や湿度が季節に応じて適切に保たれることが大切です。
高温環境、低温環境のいずれにおいても覚醒が増加し、深いノンレム睡眠やレム睡眠が減少することが報告されています。
寝具や寝衣の影響を除外するため、ほぼ裸で睡眠を取らせた研究では気温が29~34℃において睡眠が安定していたが、これより低い気温や高い気温では中途覚醒が増加し不安定な睡眠となった報告があります。
結果として、寝床内で身体近傍の温度が33℃前後になっていれば睡眠の質的低下はみられないと考えられています。
騒音
夜間の騒音は、45~55dB※程度であっても、不眠や夜間の覚醒が増加することが示されています。
一方で、暗く無音の実験室で過ごすなど感覚刺激が極端に少ない条件では反対に覚醒度が高まり、物音などの些細な刺激が気になったり、不安や緊張が高まることが報告されています。世界保健機構(WHO)は、寝室における騒音基準として、平均騒音が30dB以下、最大騒音が45dB以下になるように推奨しています。
※40dBの例:閑静な住宅街の昼間や図書館内で感じるレベル
50dBの例:人が通常発する声や家庭用クーラーの駆動音、換気扇が発する音と同レベル
光
夜間では一般的な室内天井照明程度の数百ルクスの明るさでも覚醒方向の作用が生じると考えられています。
目からの光情報が脳内の体内時計や自律神経の中枢に伝達され、交感神経活動を高め覚醒度を上昇させます。
入眠前に普通の室内よりも明るい光の下で数十分過ごすだけでも、光の覚醒反応や体内時計を介したリズムを遅らせる作用のために入眠が妨げられます。
明るさが同じでも、青白い光や白っぽい光のように相関色温度の高い光は、白熱電球のような暖色系の光と比べて覚醒作用が強いと言われています。
就床中は、30ルクス以上の室内照明がついたままでは睡眠が障害され、深睡眠が減少します。なるべく照明は消すようにしましょう。