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むらいクリニック通信

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無呼吸と夜間頻尿・夜尿症

無呼吸と夜間頻尿・夜尿症

夜間の排尿に関する悩みを抱えている人は、意外と多いのではないでしょうか。実は、夜間の排尿と睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)には、密接な関係があります。今回は、SASと夜間頻尿および夜尿症との関係性について解説します。

夜間頻尿、夜尿症とは

まず、夜間頻尿とは夜間の睡眠中に、排尿のために1回以上目が覚めてしまう状態のことを言います。そして、夜尿症とは簡単に言うと「おねしょ」のことですが、5歳以降で月に1回以上のおねしょが3ヵ月以上続くものを夜尿症と呼びます。夜間頻尿の原因は、泌尿器疾患、心不全、加齢、高血圧、糖尿病、アルコールやカフェインの過剰摂取、薬剤性、心因性、睡眠障害など多岐にわたります。これらの夜間の尿トラブルの原因の一つとしてSASが考えられます。

SASとの関係性

閉塞性のSASでは上気道が閉塞し呼吸が止まり覚醒反応が増加することにより抗利尿ホルモン(ADH)の低下が起こります。また体は呼吸をしようとしているため胸腔内が陰圧になり、本来は陰圧に引っ張られて空気が吸い込まれますが、気道が塞がっているため空気を吸い込むことができず、代わりに血液が引っ張られて心臓に流れ込む血流量が増加します。心臓に流れ込む血液が増えると心房に負荷がかかり、「心房性ナトリウム利尿ペプチド」と呼ばれる利尿ホルモンが産生されます。このホルモンの働きによって睡眠中の尿の産生量が促進され、さらに、浅い眠りによる尿意覚醒域の低下により1回排尿量が減少し夜間頻尿や夜尿症が引き起こされます。
大人だけではなく子供のおねしょの原因が、SASであるという可能性もあります。また、SASによって高血圧や糖尿病を併発することも、夜間頻尿や夜尿症の原因となります。

夜間頻尿、夜尿症の改善

夜間頻尿や夜尿症の原因はほかにもありますが、SASが原因の場合はCPAP療法などにより治療することで改善が見込めます。実際に、CPAPを始めてから夜間にトイレに行く回数が減ったり、行かなくなったという人が多くいらっしゃいます。

 

 

参考文献

睡眠時無呼吸症候群の治療で夜尿症が改善?2つの病気の関連性について解説

睡眠時無呼吸症候群の治療で夜尿症が改善?2つの病気の関連性について解説

わたなべ腎・泌尿器科クリニック 夜間頻尿と睡眠時無呼吸症候群

https://watanabe-uro.clinic/menu/

持続陽圧呼吸療法(CPAP)導入により覚醒および夜間頻尿が改善した脳卒中患者の 1 例

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/58/11/58_20068/_pdf/-char/ja

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