睡眠時無呼吸症候群(SAS)といびき
いびきとは睡眠時の呼吸に伴う雑音のことです。睡眠中は舌や喉の周りを含む全身の筋肉も緩みます。
すると重力によって舌が落ち込み、気道が狭くなります。そこを空気が通ると周囲の組織が振動して
いびきが起こります。
いびきの種類と原因
いびきには大きく分けて3種類あります。
一つ目は「単純性いびき」。身体的な原因による一時的ないびきで、鼻づまりや疲労、飲酒、風邪などが原因となります。
二つ目は「睡眠時無呼吸を伴ういびき」。常時いびきがあり、他人から指摘されるほどの騒音が出ます。
無呼吸や低呼吸に伴い、覚醒反応(体は眠っていても脳が起きた状態になること)が起こることで日中の眠気につながります。
三つ目は「上気道抵抗症候群」。様々な要因によって上気道が狭くなってしまうことで空気抵抗が大きくなり、無呼吸はないにも関わらず、いびきや日中の眠気の症状がみられます。
右の円グラフは、全国の30~50代既婚男性でSASと診断され治療をおこなっている人(左)と、
SASと診断されたことがない人(右)を対象としたアンケート調査です。SAS患者の94.8%は治療を始める前にいびきをかいており、いびきはSAS発見の重要な手がかりとなっています。
そして、非SAS患者の67.6%にもSASの兆候「いびき」がみられています。
睡眠時無呼吸を伴ういびきの場合は、CPAPやマウスピースなどの治療を行うことで改善しますが、
それ以外のいびきにも治療を必要とする病気が隠れていることがあります。
例えば、鼻中隔彎曲症 :鼻の真ん中の仕切りが曲がっている
肥厚性鼻炎 :アレルギー性鼻炎などで鼻の粘膜の慢性的な炎症により、鼻の粘膜が厚く
なっている
鼻茸症 :鼻の炎症で粘膜がポリープ状になったもの
副鼻腔炎 :副鼻腔の中に膿がたまっている
習慣性扁桃炎 :扁桃腺の腫れ
アデノイド肥大:喉の奥にあるアデノイドが生まれつき、または感染やアレルギーで大きく
なっている
無呼吸なおそう.com 「いびき」のはなし より