糖尿病
無呼吸と糖尿病について
痩せていても無呼吸があると糖尿病のリスクが増加します。
無呼吸と糖尿病、どちらも治療する上では、お互いの状態を把握しておくことが必要です。
★糖尿病★
血液中に含まれるブドウ糖の量を「血糖値」といい、それが高い状態を「高血糖」といいます。
糖尿病とは、血糖値が高い状態です。名前の通り、尿に糖が出る病気で、インスリンの作用不足によって、血液中に異常にブドウ糖が増えることを表しています。
高血糖の状態が続いていると、初期のうちは自覚症状がないことが多いですが、喉の渇き、疲労感、多尿、頻尿などの症状が現れるようになり、次第に全身の血管や神経が傷ついて、全身の様々な臓器に影響を及ばします。
糖尿病で一番の問題とされているのが合併症です。
★★3大合併症★★
代表的な合併症としては、
♣糖尿病性網膜症 ・・・目の中にある毛細血管が出血し、失明に至ることもある。
♧糖尿病性腎症 ・・・腎臓の糸球体などの毛細血管に異常が起き、腎臓の働きが悪くなる。
♣糖尿病性神経障害・・・手や足先にある細い神経の抹消神経に障害が起き、手足がしびれたり
痛んだりし、進行すると感覚が麻痺し何も感じられなくなる。
また、糖尿病は動脈硬化の要因でもあり、「狭心症」や「心筋梗塞」といった病気を引き起こしてしまいます。
★★★無呼吸と糖尿病★★★
無呼吸の原因として、多いものは肥満です。国内でメタボリック検診が始まったように、肥満を取り巻く糖尿病、高血圧、コレステロールなどは密接に関係し合っていることが広く知られるようになりました。これらの疾患にすべて無呼吸が関連していることはご存じでしょうか?
その中でも糖尿症は08年国際糖尿病会議において、糖尿病と無呼吸の合併率は23%という報告がされ、糖尿病治療の分野で無呼吸の関連性が注目されています。
実は、無呼吸自体が糖尿病を引き起こすということもわかっています。
無呼吸でみられる「間欠性低酸素血症(低酸素状態と正常な酸素状態が交互に繰り返される現象)」と、無呼吸状態から呼吸が再開する時の「覚醒反応」が糖代謝の異常に関連すると推測されています。
この2つが繰り返されることで、交感神経の亢進、インスリン抵抗性悪化につながり、糖尿病の発症リスクを高めると考えられています。
無呼吸が重症患者になるほどインスリン抵抗性に悪影響を及ぼします。治療するとHbA1cが改善されるといった報告がされています。