飲酒・喫煙と睡眠時無呼吸症候群
飲酒・喫煙と睡眠時無呼吸症候群
飲酒の影響
お酒を飲むと寝つきが良くなると感じる方もいらっしゃると思います。
しかしその一方で、睡眠の後半になると眠りが浅くなったり、途中で目が覚めて睡眠が分断されたりなど、睡眠の質に対して悪影響を及ぼす事が分かっています。
アルコールは比較的早く代謝されるために、一夜の睡眠全体に悪影響を及ぼします。アルコールはレム睡眠を抑制する作用があるため、アルコールの作用が持続している睡眠の前半にはレム睡眠が現れず、アルコールの作用がなくなった後半に、前半の抑制されていたレム睡眠が反跳的に増加します。そのため、睡眠の後半に眠りが浅くなったり、断続的になるなど睡眠の質が悪くなります。飲酒した夜に中途賀覚醒が多いのはそのためです。
また、アルコールには筋肉弛緩作用があり、上気道を広げる筋肉活動が抑制されます。そのため舌がのどに落ち込む“舌根沈下”によって上気道が狭窄しやすくなり、無呼吸を引き起こしてしまいます。
さらには、通常であれば無呼吸が起こると血液中の酸素濃度が低下し、それにより脳が覚醒を促すのですが、アルコールを摂取するとその感度が鈍くなるため覚醒までの時間が⻑くなり、無呼吸の時間も⻑くなってしまいます。
寝る前の飲酒にはこのような悪影響があるため、少なくとも就寝前4時間以内の飲酒は控えるようにしましょう。
喫煙の影響
たばこに含まれるニコチンには覚醒作用があるため睡眠に悪影響をもたらします。また、上気道の炎症を起こしたり、上気道の筋力を低下させるため、喫煙者は非喫煙者に⽐べて閉塞性睡眠時無呼吸症候群のリスクが高いと言われています。喫煙により中途覚醒が増加し、睡眠の質は悪化してしまうため喫煙は控えるのが良いでしょう。