睡眠と感情
寝不足になると、些細なことでイライラする、感情をうまくコントロールできなくなるなどの経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
これは単なる気の持ちようではなく、脳やホルモンや自律神経といった体内の重要なシステムが睡眠によって大きく左右されていると言われております。
寝不足が感情をコントロールする仕組み
前頭葉の機能低下
寝不足によって前頭葉の働きが低下し、理性的な判断や衝動の抑制が難しくなります。前頭葉は人間の理性や論理的思考、社会的判断を担う部位であり、感情のブレーキ役として機能しています。ところが、寝不足だとこの部位の活動が低下し、以下のような状態を引き起こすことが少なくありません。
①些細なことで怒りやすくなる
②冷静な判断が難しくなる
このように、寝不足は脳の「理性を保つ機能」を麻痺させるため、イライラや攻撃的な言動に繋がる原因になります。場合によっては本人の性格によるものと誤解されやすいこともありますが、実際には脳の物理的な変化によって生じている反応です。
コルチゾールの増加
寝不足は、ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌を招き感情を不安定にし、結果的にイライラを引き起こします。人はストレスを感じるとコルチゾールを分泌し、交感神経を優位にします。この状態が長く続くと心身が緊張するため、リラックスできなくなる原因です。
寝不足が続くことによってこのサイクルが断ち切れなくなると、イライラや不安などのネガティブな感情が増幅しやすくなり、日常生活の些細なことにも敏感に反応してしまいます。
さらに交感神経が優位な状態が長引くことで寝つきも悪化し、寝不足とストレスの悪循環に陥るリスクが高まります。
自律神経の乱れ
寝不足になると自律神経のバランスが乱れ、イライラしやすい状態になります。これは交感神経が過剰に優位になることで、心身が常に緊張したままになるためです。
改善するための方法・アドバイス
①毎日同じ時間に寝起きする
体内時計を整えることで、質の良い睡眠が得られやすくなります。
②寝る前のスマホやパソコンを控える
③カフェインやアルコールを控える
④リラックスできる習慣を作る
軽いストレッチや深呼吸、ぬるめのお風呂などで心身をリラックスさせましょう。
⑤寝室の環境を整える
適度な暗さ・静かさ・温度(18~22℃程度)を保つことが大切です。
⑥日中に適度な運動をする
運動は自律神経のバランスを整え、夜の睡眠を深くします。
⑦ストレスを溜め込まない
日中に感じたストレスは、誰かに話したり、紙に書き出したりして発散しましょう。
睡眠の質を高めることで、感情のコントロールもしやすくなります。もし長期間にわたり睡眠や感情の問題が続く場合は、医師に相談してください。



