睡眠中の成長ホルモン
「成長ホルモン」と聞くと、子どもの成長だけに関係していると思われがちですが、実は大人にとっても非常に重要な役割を果たしています。
そして、その分泌の多くが「睡眠中」、特に「深い眠り」の間に行われているのです。
成長ホルモンとは
脳の下垂体前葉から分泌されるホルモンで、以下のような多くの重要な役割を担っています。
細胞の修復と再生
細胞のダメージを修復し、健康な細胞を新たに生成する。
筋肉と骨の成長
肉や骨の発達を促し、強度を保つ。
脂肪燃焼
代謝を促進し、体脂肪をエネルギーとして利用する。
免疫力の向上
壊れた免疫細胞を新しい免疫細胞に再生し、高い免疫機能を獲得する。
成長ホルモンは、子どもの成長だけでなく、大人の体のメンテナンスにも必要不可欠です。
睡眠との関係
入眠すると、まず浅いノンレム睡眠が起こり、徐々に深いノンレム睡眠に移ります。その後レム睡眠へと続きます。
ノンレム睡眠/レム睡眠のサイクルは約1.5時間であり、一晩の睡眠中にこのサイクルを4.5回繰り返します。正常な睡眠では、睡眠開始直後の深いノンレム睡眠の際に成長ホルモンの分泌のピークを迎え、このピークは1~2時間続きます。
成長ホルモンの分泌は睡眠の長さよりも「入眠直後にぐっすり眠る」ことが重要です。
CPAP療養中の方へ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)があると、睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなったりするため、眠りが細かく分断されます。
その結果、深い睡眠が減り、成長ホルモンが十分に分泌されなくなります。これにより、朝起きても疲れが取れない、日中に強い眠気が出る、内臓脂肪が増えやすい、生活習慣病が悪化しやすい、といった状態が起こりやすくなります。
CPAP治療は、睡眠中の無呼吸を防ぎ、呼吸と睡眠を安定させる治療です。CPAPを正しく使うことで、深い睡眠が回復し、成長ホルモンの分泌も自然に改善していきます。その結果、体が回復しやすくなり、疲れにくさや体調の改善を実感する方が多くいます。
成長ホルモンを増やすために最も大切なのは、CPAPを毎晩、寝ている間ずっと使用することです。あわせて、規則正しい生活、寝る前の飲酒や夜更かしを控えること、適度な運動も効果的です。多くの場合、これらで十分な改善が期待できます。
【睡眠と成長ホルモン(GH: Growth Hormone)の関係】Rehabilitation Science Blog



