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むらいクリニック通信

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CPAPの使用は「4時間・70%」以上を目標に

CPAP治療に関して「いつまでCPAPを使えば良いか?」「どれくらい使ったら良いか?」といった質問をよくいただきます。

ご存じのようにCPAPは使い続ければ、いつか睡眠時無呼吸症候群(SAS)が治るというものではありません。あくまで睡眠中の上気道の閉塞を圧力によって改善させるための装置なのです。例えるならば、眼鏡をかけている状態と同じで、使用している間は効果が得られるという治療です。よってダイエット(肥満による気道狭窄の場合)や手術などの治療を行わない限り、継続的な治療が必要になります。

しかし、これは内科的な病気(高血圧や糖尿病など)も同じです。内服していればよい状態を保つことができますが、内服を中止すれば悪くなり、その結果内服継続が必要になります。

日本では保険診療上の基準を満たした閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対して、CPAPが第一選択治療となっており、現在およそ50万人が使用していると推計されています。しかし、ずっと使い続ける事への不安や、受け入れの悪さなどから治療継続率は65~90%*1と言われています。ではどの程度CPAPを使えば効果が期待できるのでしょうか。

日本や欧米では研究データ*2に基づき、4時間以上の使用日数が評価期間の70%以上を使用の目安としています。

通常、未治療の中等~重症の睡眠時無呼吸症候群では8年後の生存率は約6といわれますが、CPAP治療を正しく行うことで平均と同程度に抑えられることが分かっています。

また、高血圧や眠気の改善だけでなく、SASの合併症の1つである心血管疾患(虚血性心疾患や脳卒中など)のリスク軽減に対して、4時間以上の使用が有意であることも明らかになっています。

理想は毎日、睡眠中はずっと使うことですが、仕事やライフスタイル、体調や睡眠環境などにより、そうはいかない事も多いのが現実です。その様な場合、まずは使用頻度を増やすことを意識してみましょう。

たまに使うだけでは、いつまでたっても違和感を払拭する

ことは難しくなります。そして、たとえ使用時間が4時間に満たなくとも、適正な使用下であれば確実に呼吸障害を改善させられるのがCPAPなのです。いずれにしても、1つ1つ問題をクリアすることがCPAP治療を継続していくための鍵となります。困ったことがあればその都度ご相談ください。

 

*1 行動医学研究 OSAとこれからの在宅医療法

*2 Kribbsらの論文(regular use of CPAP)     より引用

 

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