SASと肥満
睡眠時無呼吸症候群と肥満
無呼吸が起こると眠りから起こされ交感神経が興奮します。組織の低酸素により高血圧、耐糖能障害、高脂血症を発症する可能性が高くなります。
肥満者が睡眠時無呼吸症になるとメタボリックシンドロームになりやすくなります。肥満者の約40%に明らかな睡眠時無呼吸症があるといわれます。
閉塞性無呼吸症候群(以下OSAS)は、10%の体重増加で無呼吸低呼吸指数(AHI)は32%増加します。また、10%の体重減量で26%のAHI の減少が期待できるとされます。10%の体重増加はAHIが15以上になる確率が6倍に増加します。
アジア系の人種ではOSASは肥満よりも顔面形態が影響し、さらに鼻呼吸障害、咽頭の解剖学的異常、上気道筋群の機能的異常、内分泌、神経調節など複合的な要因により起こる病気といわれております。
またOSASではCPAP療法を6カ月以上続けることにより体重の変化なしに内臓脂肪量の減少がみられたという報告があります。OSAS自体が脂肪の沈着や肥満になるのに関係がある可能性があります。
OSASが肥満の原因ならばCPAP療法により容易に改善されるかもしれません。OSASの治療として減量する場合、CPAP療法による睡眠と呼吸の改善が必要であります。
OSASでは、肥満の原因と結果を見て理解し、予防と治療をしていかなければなりません。
(SASにおける発症要因としての肥満;櫻井滋 参照)
メタボリックシンドロームの診断基準
内臓脂肪:腹囲(へそ回り)が男性85cm以上、女性90cm以上
脂質異常 :血液検査値 トリグリセライドが150mg /dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満
血圧:最高130mmHg以上、最低85mmHg以上
空腹時血糖:110mg/dl以上
内臓脂肪の蓄積と脂肪、血圧、血糖値のうち2つ以上に当てはまる場合、メタボリックシンドロームと診断されます。
メタボリックシンドローム予防
⒈定期的な健康診断
⒉バランスのよい食事(塩分を取り過ぎない、食べ過ぎない)
⒊普段から運動する
クリニックよりのお願い
PSGを予約された方は、原則当日キャンセルをお断りしております。キャンセル希望の場合には1週間以上前に連絡してください。CPAP使用の患者さんは使用状況に関係なく、月1回の受診が必要です。受診予約のない方は受診予定の確認のため当院もしくは機器メーカーより連絡する場合がありますのでご了承ください。